当社は、セクシュアルハラスメント(セクハラ)に関する措置が十分か不安なのですが、どのような措置を講ずればよいのでしょうか。また、措置を講じないと不利益なことがあるのでしょうか。

  1. セクハラ禁止の方針の明確化および周知啓発、
  2. 相談に適切に対応するための必要な体制の整備、
  3. 事後の迅速かつ適切な対応、
  4. プライバシー保護・不利益取扱いの禁止

などについての措置を講ずる必要があります。このような措置を講じないと、セクハラ被害が起きた場合に損害賠償責任を負うことがあります。

解説

  1. 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発 ① セクハラ禁止の方針を就業規則等で規定化し、労働者に対し周知・啓発すること。 ② セクハラを行った者に対する懲戒規定を就業規則等で定め、労働者に対し周知・啓発すること。
  2. 相談(苦情)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 ③ 会社の内外に相談窓口を設置し、担当者を定めること。 ④ 相談窓口の担当者が相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるような体制を整備すること(人事部門との連携の仕組みの構築、マニュアル作成)。
  3. 職場におけるセクハラに係る事後の迅速かつ適切な対応  ⑤ 相談を受け付けた場合、相談者・行為者の双方から事実関係を確認し、主張の不一致により事実の確認が十分にできない場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること。 ⑥ セクハラの事実が確認できた場合には、行為者に対する措置(懲戒等)及び被害者に対する措置(被害回復等)をそれぞれ適正に行うこと。 ⑦ セクハラ禁止の方針を周知・啓発するための再発防止に向けた措置を講ずること(社内報への掲載・配布、研修・講習の実施等) 4 併せて講ずべき措置 ⑧ 相談者・行為者等のプライバシー保護のために必要な措置を講ずること(マニュアルの作成、担当者に対する研修の実施等) ⑨ 相談に関する不利益取扱いの禁止を就業規則等で定め、労働者に周知・啓発すること。

セクハラ被害が生じた場合、法的には、セクハラを行った社員が損害賠償責任(民法709条)を負うのは勿論ですが、会社も使用者責任(民法715条)を負うだけでなく、特に前記3の事後的な対応の不備について、会社自身の債務不履行責任(民法415条)や不法行為責任(民法709条)を問われる裁判例が増えています。

就業規則の整備など事前の措置を行うことは勿論ですが、セクハラが起きてしまった場合には、会社にとっては、適正に事後の対応を行うことが重要です。このような対応を円滑に行うためには、前記2の体制の整備として、適切でわかり易い内容のマニュアルを作成し、担当部署に周知しておきましょう。

参考

Category:雇用問題