当社はソフトウェア開発を再委託することになりました。どのような場合に下請法の適用を受けますか。また、万一下請法に違反した場合どのようなペナルティがあるのでしょうか。

御社が受注したプログラムの作成を委託する場合,御社と委託先の資本金の額が次のいずれかにあたると,下請法の適用があります。
・御社の資本金が3億円を超える場合で,委託先の資本金が3億円以下の場合
・御社の資本金が1千万円を超え3億円以下の場合で,委託先の資本金が1千万円以下の場合

下請法に違反すると,公正取引委員会から違反行為の是正や下請業者に対する弁償を内容とする勧告を受けるほか,その違反の事実を公表されます。また一定の違反行為については最高50万円の罰金が科されます。

解説

1 下請法の適用の有無

下請法の適用があるかどうかは,①委託取引内容及び②資本金の額の関係によります。
①下請法が対象とする委託取引内容は次の4つです。
・製造委託(物品の製造)
・修理委託(物品の修理)
・情報成果物作成委託(プログラム,映画・放送番組,広告等の作成)
・役務提供委託(サービスの提供)
ソフトウェア開発はプログラムという情報成果物の作成委託にあたります。
②プログラム作成委託の場合,下請法の適用される資本金の額の関係は次の2つです。
・(親事業者)3億円超 VS(下請事業者)3億円以下
・(親事業者)1千万円超3億円以下 VS(下請事業者)1千万円以下

下請法上,情報成果物作成委託の資本金の額は原則として,
・(親事業者)5千万円超―(下請事業者)5千万円以下
・(親事業者)1千万円超5千万円以下―(下請事業者)1千万円以下
となっています(下請法2条7項3号4号,2条8項3号4号)。
ところが,情報成果物作成委託のうちプログラム作成委託のみ,親事業者の資本金額が3億円になっています(下請法2条7項1号かっこ書き,同3号かっこ書き)。これは中小企業関連法及びその政令において,ソフトウェア業・情報処理サービス業を営む会社の「中小企業」の定義が資本金3億円以下と定められていることによります。

2 下請法違反の効果

下請法に違反した親事業者に対する勧告の内容は,違反行為をやめること,違反行為によって下請業者が被った損害を填補させることなどです。代金減額等の違反行為を反復継続して行っていた場合の損害填補の額は,数千万円から数億円にものぼります。
また勧告に従うかどうかにかかわらず,違反事業者の会社名や違反行為内容は公表されます。公表は,公正取引委員会のホームページに掲載するという方法で行われます。
そうなると会社のブランドは大きく毀損されます。

罰則が定められている違反行為は次の2つです。
・委託内容を記載した書面(3条書面)の交付を怠った場合(下請法10条1号)
・委託内容及びその結果を記載した書類(5条書面)の作成及び保存を怠った場合(10条2号)
・公正取引委員会への報告を怠り又は立入検査を拒否した場合(11条)
この場合,違反行為を行った会社の代表者や従業員のほか,会社に対しても最高50万円の罰金が科されます。

参考

下請法:公正取引員会
下請法勧告一覧(平成25年度)

Category:IT , 開発委託