当社は、民事再生手続に入った取引先の債権について届出を行いました。同手続では、当社が届け出た債権の内容等はどのように確定するのでしょうか。

民事再生手続においては、再生債務者(管財人が選任されている場合は、管財人)は、届出債権、及び、分かっている債権で届出されていないものについて、その内容と議決権の額を調査(債権調査)しなければならないものとされています(民事再生法101条)。

再生債務者は、必要があれば債権者に証拠の写しの送付を求めるなどして上記の調査を行い(規則37条)、裁判所の定める期間内に、債権の認否を記載した認否書を提出しなければなりません(法101条1項)。

■上記の調査において再生債務者が認め、かつ調査期間内に届出再生債権者の意義のなかった再生債権については、その内容および議決権の額が確定します(法104条1項)。

かかる再生債権は、裁判所書記官により再生債権者表に記載され、同表の記載は、再生債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を持ちます(法104条2項)。

■再生債務者等が債権を認めない場合、あるいは他の再生債権者が異議を述べた場合には、その分の再生債権の確定は、以下の手続によります。

まず、異議を述べられた再生債権者は、調査期間の末日から1ヵ月以内に査定の申し立てをすることができます(法105条1項、2項)。査定の申し立てに基づいて、裁判所は、意義のある債権の存否及び内容を定めることになります(法105条4項)。査定の申し立てがなかった場合、その再生債権は異議を述べられた通りの内容で確定します。

この査定の裁判に不服のある者は、その裁判の送達を受けてから1ヵ月以内に異議の訴えを提起することができます(法106条1項)。この異議の訴えが提起された場合には、判決で査定の裁判の認可又は変更がなされます(法106条7項)。 

以上、再生債務者が認めずに査定の裁判があった再生債権、及び、訴訟の結果定められた再生債権は、裁判所書記官により、再生債権者表に記載され(法110条)、確定することになります。

なお、従来の和議手続では、債権調査は債権者集会における議決権額を確定させるための手続でしたが、民事再生手続上の債権調査はそれに留まらず、債権の実体上の権利内容をも確定させる手続であるという特徴を有しています。

Category:債権調査 , 民事再生

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