当社は執行役員制度を導入しようと考えていますが、執行役員規程を定める際に注意した方がよいことはありますか。

執行役員が労働者にあたり、執行役員規程が就業規則の一部と判断されると、届出義務・周知義務等が罰則付きで強制されることに注意してください。

解説

執行役員とは

「執行役員」とは、取締役会によって選任され、本来取締役の持つ業務執行権限を、担当領域ごとに分担して行う者をいいます。「CEO」、「専務」、「常務」といった肩書がつけられることもあります。
執行役員という役職は法律上定められていません。なお、「執行役」という役職が法律上定められていますが、これは委員会設置会社に設置される役職で異なります。

執行役員は、取締役の代わりに業務執行権限を行使するという面で取締役(委任の「受任者」)のような立場を有する一方、取締役の意思決定に従って業務執行を行うという面で「労働者」のような立場を有するため、執行役員に労働法上の規制が及ぶ場合があります。どちらにあたるかは、具体的契約内容によります。

執行役員規程の法律上の位置づけ

執行役員が労働者にあたると判断されると、執行役員規程は法律上「就業規則」という位置づけとなります。そうすると、執行役員規程を作成する際、労働基準法に定める義務が課されることとなります(他のQ&A参照)。この義務に違反すると、30万円以下の罰金という刑罰が科される危険があります(労働基準法120条1号)。

執行役員が労働者にあたるかの判断においては、執行役員規程の内容も大いに関係します。
実質的に取締役としての権限と責任を有していたとしても、執行役員規程に、
「この規定に定めのない事項は、就業規則の定めるところによる」
「代表取締役社長は、執行役員の職務の執行を統括する」
といった定めがあると、執行役員が労働者にあたるのではないかと疑われることになりかねません。

Category:労働問題 , 執行役員