最近読んだ本 条件反射制御法 幸福学

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最近読んだ本の中で興味深かったものを紹介します。

「条件反射制御法入門」動物脳をリセットし、嗜癖・問題行動を断つ!
(平井・長谷川)
http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo05/bn857mov/index870.html

薬物濫用などの問題行動に快感が伴っていると、脳内にそのような条件反射が形成されることに着目して、意図的に別の条件反射を形成するような行動を繰り返すことによって、問題行動を起こさないようにするというもの。
薬物中毒の芸能人などのリハビリにも施されて、近年注目されている。

例えば、酒の飲みすぎが問題行動だとしたら、以下のようにする。

① 今日は酒を飲めないと言いながら、屈伸運動をする。これを3か月間、毎日20回づつ繰り返す。
酒が飲みたい気持ちになったら屈伸運動をする。
② ①を続けて10日経ってから、時々、ノンアルコールビール、ノンアルコールワインを酒のつもりで飲む。
③ 過去の酒を飲みすぎた経験を詳細に思い出す。
④ ①~③を何百回も繰り返す。

薬物はもちろん、たばこや、ご飯の大量摂取などにも使えそうな方法だと思う。

"なくて七癖"というが、違法な問題行動はさておき人には様々な困った癖がある。
家族に直してもらいたい嗜癖を持つ人がいることもあるだろう。

人々のQOLを向上させるテクニックを開発した両先生に拍手したい。


「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」(前原隆司)

月刊プレジデント9月号で紹介されていたものが面白そうなのでKindleで読んでみた。

誰でも幸せになることに興味があると思う。
私も、以前、「幸せな人生を掴めるようになる人とは」というブログを書いたことがある(2011年末、https://www.clairlaw.jp/blog/toshiofuruta/2011/12/post-4.html)。
しかし、これは具体的な処方箋ではなく、心構えのようなものだった。

この本では、
「どうして、貧乏でも幸せな人がいる反面、リッチでも不満だらけの人がいるのか?」
「どうすれば幸せになれるのか?」
という質問に、現慶大教授で、元UCバークレー、ハーバードの客員の経歴を持つ前原先生は具体的に答えている。

前者に対する答えとしては、生活に満足できる金銭(米国$75K、日本¥5M)があれば、それ以上金銭が増えてもそれに比例して幸福度は増加しないという統計データが示されている。

どうすれば幸せになれるのか? については、

幸福を基礎づけるものとして、地位財(他社との比較優位によって満足を得るもの)、と非地位財(相対比較に関係ないもの)があり、後者の満足感は持続するが、前者は持続しない。

よって、健康、自主性、愛情、自由、社会への帰属意識、良い環境などの非地位財を増やす努力をしていけば幸せに近づく。

また、幸福感は、自己実現(成長)、感謝、楽観、マイペースの4つの因子の寄与が大きいので、これらを意識した行動をとる。

沖縄は一人当たりの所得が全国最低なのにもかかわらず、幸福度は全国トップ(群馬より44%UP)なのは、綺麗な空、共同体への帰属意識、子沢山、なんくるないさー、東京と比べないことなどが背景にありそうだ。

日本では、女性は男性よりも幸福感が強く、人は老人になるほど細かいことが気にならなくなって幸福感が大きくなるという指摘も面白い。

金儲けや、見得を張るのは程ほどにして、家族、友人、仲間を大切にして、多少のボランティア活動をし、健康に気を付けて楽観的に生きていく。そうするととっても幸せな老人になれそうだ。
他には、芥川賞をとった「コンビニ人間」も面白かったのですが、今度(とお化けはでたことない)にします。

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古田利雄>
古田利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。上場ベンチャー企業、トランザクション、NGC、Canbas等の役員もしています。

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