「幸せな人生を掴めるようになる人とは」

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「幸せな人生を掴めるようになる人とは」
2011年12月31日

今年、長女は小学校のお受験だった。小学校受験では親の面接もあり、「ご家庭の教育方針はどのようなものですか?」というシリアスな質問がなされる。
名門のご家庭なら、“言語化された代々続く当家の教育方針”というものがあるかもしれないが、一般の家庭ではそういうものはないのではないだろうか。

私の専門は、新規事業の創設育成(ベンチャー企業育て)だが、クライアントに対しては、ミッションとビジョンをビジュアライズして言語化するように推奨しているし、私の事務所でもこれらを定めている。
家庭教育を適切に進めるには、教育方針が必要だという理屈になり、私は古田家の教育方針を確立する必要に迫られた。

受験する学校と古田家の教育方針が適合していなとすれば、その学校を受験するのは不自然だ。
そこで、学校の教育方針を確認してみたところ、「独立自尊、共生他尊」(慶応義塾/受験しなかったけど)、「自重互敬」(学習院)というように、最大公約数的なポイントは、①「自立することと」、②「他者への貢献」だった。

なぜ多くの学校が、この2つを教育目標にしているのか?
徒然に考えてみると、この2つを実現できる人間に育てば、その人は「充実した人生を送れる(幸せになれる)。」はずであるという結論になった。

というのは、
まず、自立していない人間は、存在自体が不安定であり、その人の心理状態も安定できない。
たとえば、勤務先に依存している人とする、その人は「会社がつぶれたらどうしよう?」という不安から逃れられない。
反対に、会社員でも会社から依存されている人は、会社から「この人が退社したらどうしよう?」と思われることになる。こうゆう人は、辞めないように給料が上がったり、他の会社からも来てほしいといわれ、より高い給料で転職できたりする。
矢沢英吉のお婆ちゃんは、長男夫婦から同居するように求められてもこれに応じず、道路の草刈りなどのバイトをして日当をもらい、それで焼酎を飲んでハッピーだったという(同著・Are you happy?)。長男夫婦と同居して気兼ねするより、自立していた方が気分いいという訳だ。
自立するためにはそれなりに実力が必要だ。それだけでなく「他人を頼らずに、自分でやっていく。」という気位というか覚悟が必要だ。この覚悟があれば、その人は自立できていると思う。
「己こそ己の依るべ、己なくして何に依るべき。よく整えし己こそまこと得がたき依るべなり。」(少林寺拳法)とか、他者依存パラダイムから自己責任パラダイムへ(コビー、7つの習慣)とか、そういえばいろんな人が同じようなことを言っていた。
自立することは、人にとって大前提だと思う。

次に、「他者への貢献」である。
他者や地域や社会のどれにも貢献しない人という人がいるとしたら、その人は社会の側から見ると不要な人である。
人間は社会的な動物であり、存在承認欲求の強い生き物だから社会から必要とされていなければ生きていく意義が感じられない。
もっとも、どんな人でも社会の役割分担の一部を担っており、100%何も貢献していない人はいない。生活保護をもらって金を使うだけでも雇用の創造に貢献している。
しかし、その人が他者や地域、社会に貢献(大きな価値を提供)していれば、世の中はその人を必要とするようになり、提供された貢献に見合った待遇をする。
人として社会に貢献できることは嬉しい。
人や社会から必要とされていることを実感できると人生の充実を実感できる。「あなたは素晴らしい。」「ぜひ仕事を頼みたい。」「当社に来てほしい。」「今回のプロジェクトに参加してほしい。」「相談したい。」とか、「君の料理は最高に美味しい。君がいなくちゃ生きていけない。」「ママの娘に生まれて本当に幸せです。」とか言われたらヤリガイを感じるではないか。
私は、事務所のそばの赤坂プリンス(残念ながらこれから取り壊されてしまう)でよく食事をしていたが、よく藍綬褒章などの褒章の式典がされていた。
70歳前後の皆さんが大抵ご夫婦で夫はモーニング、妻は和服で晴れやかな表情で参加されていた。人生の終盤に、国家から、「あなたは人並み外れて社会のために尽くしてくれた。ありがとうございます。」と意思表示されるのだ。皆が嬉しそうなのも宜(むべ)なるかなと思う。
前述の「己こそ己の依るべ」には、「半(なか)ばは他人の幸せを。」という言葉が続いていた。

このように考えてくると、自立することと、他者への貢献ができるといことが、教育目標の2大ポイントとして正しいものだということに納得できた。そこで、古田家の教育方針は、「他人を頼りにせず自立すること、同時に自己中心に陥らず、思いやりと感謝の気持ちをもって社会や他人に貢献する人に育てること」とした。
このようにすれば充実した人生が歩めるはずだから、自分(私)もそうすればよいということになる。私は、もともと自立心だけは旺盛なタイプだから、これからはどれだけ社会や他人に貢献できるかにフォーカスすればいいと納得した(「なんだ簡単で当たり前じゃないか。」&ちょっとした真理を掴んだ感じがした)。

世の中には、上昇志向で成功したいという気持ちが強すぎて、自分中心で、戦術ばかり考えている人もいる。そしてそれで、それなりの経済的な成果を上げることもある。
しかし、こういう人は、社会の中で成長勢力の塊の中核となれないと思う。そういう人は、結局は自分を優先するから他に与える付加価値が少ないし、他人に嫌われるから。
能力が80でもいい奴(明るく、元気、素直、誠実な人)で大勢に好かれる人は、80点に応援ポイント20×サポーター数が加算されるが、能力が100でも嫌な奴だと邪魔するポイント20×周りの人の数になると思う。

2012年は、自分も事務所も明るく元気で誠実で、2011年よりも少しでも多くクライアントや社会に貢献(付加価値を与える)したいと思う。

みなさん、よろしく。
そして、よいお年をお迎えください。

古 田 利 雄

※クレア法律事務所のミッションステートメント(平成14年ころ制定)
「法律実務の実践を通じてクライアントに奉仕するとともに社会に貢献すること」
行動指針は、
「顧客の期待を上回る迅速で、正確で、情熱的なサービスを提供すること」

著者
古田利雄>
古田利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。上場ベンチャー企業、トランザクション、NGC、Canbas等の役員もしています。

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