投信法改正と説明義務

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平成25年6月12日,第183回国会において改正投信法が成立しました。

その中で,今回は説明義務・情報提供に関わる部分を簡単にご紹介いたします。

詳しくは,私が記事を書きました「銀行実務2013年8月号」(株式会社銀行研修社)72ページ以下をご覧いただければ幸いです(金融機関向けのものではあります。)。

 http://www.amazon.co.jp/%E9%8A%80%E8%A1%8C%E5%AE%9F%E5%8B%99-2013%E5%B9%B4-08%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B00DG8FTAY/ref=sr_1_14?s=books&ie=UTF8&qid=1372652667&sr=1-14

今回の改正は,金融商品取引法などの一括法改正という形で金融庁が提出していたもので,改正された法律は金商法や投信法以外にも多岐にわたります。改正の背景には少し前に世間を騒がせたインサイダー事件やAIJ事件などの影響があり,重要なものが多いです。投信法に関しても,REIT関連の改正や複雑化する投資信託の説明義務強化という点で実務的には非常に重要な改正です。ただ,この一括法改正はあまり注目されていないようにも感じます。他の改正部分についても追ってブログに書きたいと思っています。

 

さて,投信法改正の説明義務部分ですが,

①運用報告書の二段階化

②トータルリターン通知制度の導入

③販売勧誘時におけるリスク等についての情報提供の充実

に分けて簡単にご説明したいと思います。

 

①運用報告書の二段階化

運用報告書とは投資信託購入後に顧客に送っている報告書のことです。

従来は,ボリュームが多くて分かりにくいという声があったことから,今回,運用報告書を2種類に分けて,顧客に送る交付運用報告書は分かりやすい簡潔なものとし,ボリュームの多い運用報告書全体版はウェブ上で掲載すれば足りるとしました。

以前に,目論見書が二段階化していましたので,これと同じ趣旨ですね。

 

②トータルリターン通知制度の導入

購入した投資信託について,総合的に見て,儲かっているのか損をしているのかが分かりにくいという声があったことから,累積損益を明らかにする制度としてのトータルリターン通知制度の導入が始まることになりました。

要するに,掲載基準日時点の商品評価額と今までの分配金から買い付けたときの商品金額を引くというものです。

この通知内容も,分かりやすい表で通知することが必要です。参考となる表は「銀行実務2013年8月号」(株式会社銀行研修社)76ページに載せました。

平成26年12月1日以降はこの制度は原則適用となります。

 

③販売勧誘時等におけるリスク等についての情報提供の充実

これは平成24年2月15日付けで金融庁が公表した監督指針が参考になります。

そのときのブログはhttps://www.clairlaw.jp/blog/satoshisuzuki/2012/03/post-23.htmlのとおりです。これが今回の改正に反映されたということでしょう。最近,人気のある投資信託は,リスクが複合化していて一般投資家には分かりにくいものが多いのです。ですから,そのリスクを理解してもらうための説明が不可欠ということで,当然の話なのです。

このあたりは,販売チャンネルとも関連があるように思います。

投資信託の販売チャンネルは,以前の統計で,銀行が販売者というのが1番多く,次が証券会社による販売で,この2パターンでほぼ9割以上を占めているイメージです。

銀行や大手証券会社の勧めるものは「安全」という投資家サイドの先入観もあるのか,リスクを理解しないままに投資信託を始めてしまうケースも多いのです。

もちろん,銀行は口座情報を持っていますから,勧誘のタイミング(例えば,退職金が入ったときや大口定期が満期を迎えたとき)を掴みやすいというのもあるでしょう。

安全な預金商品から安易に投資信託に乗り換えているケースでトラブルになっていることが多いように感じます。

投資家にしても,きちんと商品を吟味する必要があると思いますし,そういう意味では商品そのもので勝負するような直販投信(運用会社が顧客に直接販売するパターン)などももっと注目されてもいいのではと思います(鈴木 俊)。

 

参考:株式会社銀行研修社URL(http://www.ginken.jp/

 

平成25年7月1日

 

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