小学生の算数で頭の体操

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帰宅すると、次女(小6)がリビングで算数の演習問題を解いていた。
数学には早々に興味がなくなってしまったが、算数の問題はクイズのような面白さがあると思っている父(私)は、次女の邪魔をすべく横から問題文を読み始める。

問1: 数が以下のように並んでいます、30番目の数は何ですか?
1 2 5 10 17 26 37 50 65 82

これを見ると、最初の「1」から2番目の「2」には「1」増えていて、その後は「1+2」 「1+2×2」 「1+2×3」と増えていくことがわかる。30番目まで地道に計算間違いなく足していけば正解に至るはずだ。
しかし、テスト問題だからなるべく短い時間でチャッチャと解かなければならない。何かうまい方法を考えなくてはならない。
小学生向けのとき方だから方程式も使えない。
何かスマートな、地道に計算間違いなく足していかなくても良い横着な方法を思いつかなければならない、、、と思いつつあっという間に5分くらい過ぎていく。時間の流れとは無情なものだ。
ここで悶々と考え続けそれでも解き方が見つけられない状況は避けたい。
「父ちゃん小学生の問題も解けないの?」という事態は容易に受け入れがたい。
父ちゃんに対する信頼は崩壊し、その権威は失墜し、ガバナンスが機能しなくなる恐れがある。
「○〇社長は、小学生の算数も解けなかった。」という情報が拡散された場合、社員はその社長についていくだろうか? 
拡散の果て、社長は「(小学生の問題も解けないで、)関係各位には多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを深く反省しております。」と頭を下げることになりかねない。
手元のSurface (@microsoft)のエクセルに最初の4文字くらいいれてプルダウンすれば、30番目のセルに正解がでるはずだが、それでは説明ができないし、、、ということで「すぐ思いつくから」とかなんとかいいつつさりげなくスルーすることとする。

次の問題は、
問2 8時台に、時計の文字盤の中心と12時を通る直線と短針が作る小さい方の角の大きさを長針が2等分するのは8時何分ですか?
というものであった。

円は360°だから、360を60で割って1分間に長針は6°進む。更にそれを12で割って短針は0.5°進むことは分かる。
こっちの方は、何とか解くことができそうな気がする。
8時丁度に長針と短針が作る角度は30°×8で240°だから、8時台に長針と短針が重なるのは、240÷(6-0.5)=43と7/11分であることは分かる。このときの長針と短針が12時の線と作る小さい方の角度は、
360-(6×43と7/11)=98と2/11°となることもわかる。
しかし!
単にこの98と2/11°を2等分しても、上記の「問」の求める値にはならない。8時43と7/11分から短針が動かなければそれで良いのだが、残念ながら短針はじっとしていない。
短針はぱっと見はじっとしているように見えるが実は動いていく(あたりまえだ。)。よって、答えは98と2/11°を2等分するより少し狭くなったところになる。
一般的な社会生活を営むのであれば、この程度のザックリした数字が把握できればあまり困らない。
会社の飲み会の終了後に1円単位まで割り勘にする人はあまりいない。そういうことをすると細かい人と思われてしまう。そして、主に細かい仕事を頼まれることになる。
弁護士としての立場でみても、このあたりを落としどころとしても良い気もする。当事者が厳密な数字にこだわっていたのでは和解はまとまらず、紛争は解決しない。紛争を長引かせることは結局当事者にとって合理性がない。
、、、とは言っても、回答が「ザックリ8時51分か52分ころ」ではテストで〇はもらえない。
何かスマートな、地道に計算間違いなく足していかなくても良い横着な方法を思いつかなければならない、、、と思いつつあっという間に5分くらい過ぎていく。という問1と同じ状況になっていく。
小学生の算数 なかなか難しい。
このような小学生の算数を、日本の上場企業3,665社(本日現在)の社長に1問5分を制限時間として出題した場合、正解を出せる社長はそれほど多くないのではないか。
普段算数をしていなければ、出来なくても仕方ないと思うが、両方時間内に正解できて、しかも謙虚な社長が理想だ。反対に、両方できなくて、「社会には必要ない。」とか、「中受してないからわからない。」とか、単に怒り出すとかいうのは悪い社長。

※ これらの問題について、自分で答えを出したい人はここで一旦読むのを中止してください。

考え方の一例:
問1 等差数列であることに気が付くと出口が見えてくる。
求めたい数は、最初の「1」と「それまで増えた数」の合計であり、増え方は最初に書いた法則になっている。
5番目の数「17」は、4番目の数「10」に「1+2×3」増えた数だ。
だから30番目の数は、29番目の数より「1+2×28」=57増えた数となる。
1番目から2番目に増えた1から29番目から30番目に増えた57の間は、1、3、5、7、9、11、、、、55、57と増えているので、等差数列となる。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を足すとき(1+10)×10÷2で答えを求めるように、
この場合、最初の「1」に(1+57)×29÷2を加えた842が30番目となる。
答え 842
ps. この記事を見た当事務所の藪田弁護士から、
(〇番目ー1)の二乗 +1 でも解けるとコメントがありました。
(30番目ー1)=29 29の二乗+1=842 

問2 離れているAにBが追いつく時間を計算する場合、距離÷(Bのスピード-Aのスピード)で求める。8時台の長針と短針が重なったところから考えるのが難しいのであれば、9時のときの長針と短針の距離(90°)から考えてみる。押してもダメなら引いてみることを問う設問だとするとなかなか味わい深い問題だ。9時の状態から長針だけ2倍のスピードで短針のところまで戻ると仮定し、それにかかる時間を求めれば、時計の文字盤の中心と12時を通る直線と短針が作る小さい方の角の大きさを長針が2等分する時間となはずだ。
90÷(12-0.5)=9時7と19/23分前 
答え 8時52と4/23分

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TAGS:小学生 , 最短経路 , 等差数列 , 算数 , 頭の体操

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古田利雄>
古田利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。上場ベンチャー企業、トランザクション、NGC、Canbas等の役員もしています。

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