電子契約の導入は、どのようなプロセスで進めるべきでしょうか。

1 はじめに

電子契約の概要や、法的な効力については、Q&A記事「電子契約の導入(1)」で説明しています。
https://www.clairlaw.jp/qa/contract/contract/post-111.html
本Q&Aでは、電子契約の導入を進める企業がどのようなプロセスを踏むべきかを解説します。

プロセスの流れは、大きく分けると以下のとおりです。
①導入する電子契約サービスの決定
②電子契約の運用方法の整理
③社内規程の整備
④導入決定・アナウンス
⑤当該システムの導入

2 ①導入する電子契約サービスの決定

まずは、導入する電子契約サービスを決定する必要があります。
現在、電子契約サービスは、様々な企業から様々なものが提供されています。
電子契約サービスの内容によっては、サービスの法的な意義や、利用のしやすさ、料金等によって違いが生じます。電子契約を導入する目的によって目的に合う電子契約サービスを選ぶべきです。

比較検討するポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。
a電子契約を支える技術の違い
bセキュリティ
cサービスの継続性
d利用のしやすさ
e料金
f 認知度

a電子契約を支える技術

技術の違いとしては、主に、電子署名の有無、タイムスタンプの有無等に違いがあります。
こちらについては、「電子契約導入(1)」にて説明していますので、ご参照ください。
https://www.clairlaw.jp/qa/contract/contract/post-111.html

bセキュリティ

上記の電子契約を支える技術は、契約書の改ざん等を防止するためのものです。
これとは別に、データの消失や、不正な閲覧等が、技術的、人的、組織的に、適切に防止できているかどうかが重要です。

cサービスの継続性

サービスが途中で終了してしまった場合、その後の電子契約の管理については、何らかの引継ぎが必要です。
契約書の管理の方法をクラウド上で一元化するために電子契約を導入しても、このような事態になってはかえってコストがかかります。
電子契約サービス及びその提供事業者が事業を継続する体力があるかどうかは、重要な要素です。

d利用のしやすさ

電子契約サービスによって、以下のような点について、比較検討するとよいです。
・契約の相手方も同じサービスに登録する必要があるか
・他の契約管理サービスとの連携があるか
・ユーザーインターフェース

e料金

料金についても提供サービスによって異なります。
電子契約の導入目的によっては、電子契約に移行することで紙の契約書に必要であった印紙代を節約したい、という希望に基づく場合もあると思います。
契約書の数に応じて、実際の料金をシミュレーションしてみるとよいでしょう。

f一般的な認知度等

電子契約で締結手続きを実施するためには、相手方から了承を得る必要があります。
現状では、まだまだ紙での契約締結手続きが多数ある状況であり、認知度がないサービスを利用すると、相手方が電子契約に躊躇することもあり得ます。
一般的な認知度があるサービスであれば、利用する電子契約サービスを説明するコストを省くことが期待できます。

3 ②電子契約の運用方法の整理

従来型の契約プロセス(権限者の全員が承認をし、紙の書類に印鑑を押して保管するまでのプロセス)と、電子契約での契約プロセスとでは、紙を使用せず、オンライン上の別の方法に移行する以上、その手続きの流れが異なります。
また、電子契約の導入の目的として、テレワークを推進する、ということもあると思います。
その場合、承認するまでのプロセスも新たなものにする必要があります。

そこで、契約プロセスを洗い出し、そのフローを決定していくことが必要です。
この場合、電子契約サービスによって利用方法が異なりますので、電子契約サービスの利用方法を踏まえた業務フローを決定していきます。

4 ③社内規程の整備・変更

上記の「②電子契約の運用方法の整理」にて運用方法が決定すれば、それを社内規程として、ルール化します。
現行の社内規程の内容を踏まえ、電子契約に移行することができるように、規程を新設・修正します。

5 ④導入決定・アナウンス

「③社内規程の整備」までできれば、電子契約サービスの利用契約や、社内規程の新設・変更について、自社のルールに従い、決定手続きをとります。
決定手続き後、全社的に電子契約に移行することをアナウンスし、電子契約に移行します。

Category:契約 , 電子契約

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