当社は、アウトソーシングの一環として労働者派遣を利用しようと思うのですが、注意すべきポイントは何でしょうか。

労働者派遣法上、主に派遣禁止業務(解説①)、派遣期間(②)、契約内容(③)、派遣労働者の状況(④~⑥)、責任者・台帳(⑦)、均等待遇(⑧)、直接雇用申込義務(⑨)等に注意する必要があります。

解説

派遣先の講ずべき措置を整理すると、以下のとおりです。

1.(派遣会社との間の)派遣契約締結の際の注意事項

①「派遣禁止業務」に該当しないか(4条1項、政令2条)

ⅰ 港湾運送業務
ⅱ 建設業務
ⅲ 警備業務
ⅳ 病院等における医療関連業務

②「派遣受入期間」の範囲内か(40条の2)

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※40条の2第1項参照
 ⅰ「26業務」(労働者派遣令4条)
 ⅱ 3年以内の有期プロジェクト業務
 ⅲ 日数限定業務
 ⅳ 産前産後休業、育児休業等を取得する労働者の業務
 ⅴ 介護休業等を取得する労働者の業務

③ 派遣契約に以下の事項等を明記しているか(26条1項 ※39条も参照)

ⅰ 業務内容等の基本的事項(1号~6号)
ⅱ 派遣労働者の苦情処理の体制(7号 ※40条1項も参照)
ⅲ 派遣先の都合で中途解除するときの雇用安定措置(8号 ※29条の2も参照)
  例:新たな就業機会の確保、休業手当、損害賠償 など

④ 派遣労働者の特定(指名・事前面接・履歴書の要求等)をしていないか(原則不可)
  (26条7項)

2.(派遣労働者との間の)派遣就業開始の際の注意事項

⑤ 派遣労働者は、自社を離職して1年以内の元従業員でないか(原則不可)
  (40条の6)

※例外:60歳以上の定年退職者
※禁止対象となる勤務先の範囲は事業者単位

⑥ 社会・労働保険加入状況を確認しているか
⑦「派遣先責任者」の選任、「派遣先管理台帳」の作成をしているか(41条、42条)

3.その他

⑧ 均衡待遇の確保のため、派遣会社に対し、情報提供などの協力をしているか(原則要求)
  (40条3項)
⑨ 労働契約(直接雇用)申込義務が生じていないか

・制限期間がある場合:期間を超えて派遣労働者を使用(40条の4)
 ※注意:期間算定の際、派遣労働者が変わっても、
     その前後に3か月間の期間が開いていなければ、通算してカウント

・制限期間がない場合:3年超同一の派遣労働者を受入れ(40条の5)
 →その業務に対し新たに直接雇用の労働者を雇い入れる際、派遣労働者が優先

※ 労働契約(直接雇用)申込みなし制度(改正後40条の6)
  (平成27年10月1日施行)

・派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合
 →違法状態が発生した時点で、労働契約(直接雇用)の申込みをしたものとみなす

参考

「派遣社員を受け入れるときのポイント(派遣先の皆さまへ)」(厚生労働省HP)
 改正により派遣会社・派遣先に新たに課される事項 (厚生労働省HP)

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