当社では、当社の製品やサービスの販売促進のために、これらを紹介する電子版パンフレット(いわゆる電子書籍・電子Book)を作成し、ホームページでダウンロードできるようにすることを企画しています。この電子パンフレットには、ブロガー等が当社について書いた原稿も掲載したいのですが、どのような権利処理をすれば良いでしょうか。

原稿を書いたブロガーから、御社においてその原稿をアレンジして、電子書籍に掲載し、ダウンロードできるようにすることについての許諾や、執筆者の表示をどのようにするかについて、書面で許諾を得るべきです。

解説

御社のインターネット上のサーバーに電子書籍のデータをアップロードすることは、ブロガーの著作物の複製と送信可能化に、公衆の求めに応じてデータのダウンロードが行われる段階で公衆送信にあたります。 したがって、これらについて、ブロガーから許諾を得なければなりません。

 ブロガーの書いた原稿の体裁を整えたり、記載内容にあった写真やイラストを添えるなど、新たな創作的表現を付け加えるのであれば、そのような改変についても許諾を得る必要があります。  また、著作者には、著作者人格権としては、著作物を公衆に提供するにあたり、実名又は変名を著作者名として表示するか否か決める氏名表示権があるので、この点も執筆者に確認するべきです。  電子書籍化に関しては、社団法人日本書籍出版協会がそのホームページで公開している3種類の契約書ひな形が参考になります。

 なお、掲載しようとするブロガーの原稿が、誰でも思いつくような簡単な内容をありふれた表現で記載したものにすぎない場合には、そもそも創作性がなく、著作権が成立しないこともあります。ただ、執筆者から権利侵害であるとして訴えられる事実上のリスクがあるので、許諾を得ることが望ましいでしょう。

Category:電子出版

企業向け顧問弁護士サービス
企業を対象とした安心の月額固定費用のサービスを行っています。法務担当を雇うより顧問弁護士に依頼した方がリーズナブルになります。