数多くの中小企業が,融資先である金融機関から,為替デリバティブ取引を勧められています。
融資を受けている関係や日頃の担当者との付き合いなどもあって,断るのが難しいことや担当者の無責任な勧誘文句(絶対大丈夫,損はしませんよ,こんな円高になるはずないですよ etc.)によって,理解もしないままに為替デリバティブ取引を開始してしまう場合がよくあります。
そして,後日,営業外の損失を垂れ流す状態になり,とんでもない契約を締結したことに気づくのです。為替デリバティブによる損害については以前のブログを参照ください。http://www.clairlaw.jp//blog/satoshisuzuki/2012/01/post-19.html
他方,そんなときには,金融機関の当時の担当者は異動で,別の担当者になっていたりします。
被害を受けた会社は,まずはデリバティブ取引による支払いを止めて,当該金融機関と争うことを検討する時に,一番問題となるのが,銀行融資との関係です。融資をしてくれている金融機関と喧嘩をすれば,どんな不利益を受けるかわからないということで,すごく悩むのです。
争っても「銀行融資に影響はない」と言い切る方もいらっしゃいますが,必ずしもそうとも言い切れないのが実感です。
たしかに,デリバティブ取引による支払いを停止しても,それだけで,金融機関が融資に関する期限の利益を喪失させ,取り立てるようなひどいことはしないと言えます。
ただ,為替デリバティブ問題の解決方法を間違えると,会社の財務状況にも影響が出る場合もあり,その後の融資にも響くことがありますし,信用保証協会付きの場合にも慎重な対応が必要です。銀行としても,為替デリバティブ問題を完全に切り離して新たな融資を検討してくれるとは限らないということです。
もっとも,為替デリバティブによる損失を垂れ流している状態を放置することはお勧めしません。
そういった意味では,為替デリバティブによる損失と銀行との関係の双方について悩んでいる経営者の方は,このあたりについて理解のある弁護士や会計士・税理士等とよく相談された方がいいと思います。
2012年2月23日
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